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エルサ安曇野事例調査オガールへ!

こんにちは。学部4年の田畑奎人です。

先日、岩手県紫波町で行われている「オガールプロジェクト」の現地調査に行きました!

佐倉研究室では今年度から、安曇野ビルディング・県設計さんと協働で、「エルサ安曇野SC計画」を進めています。

簡単にこのプロジェクトでの佐倉研究室の役割として、ミクロとマクロ両義の観点でのまちづくりの視点から、新たな郊外型商業施設の在り方を検討し、エルサ安曇野におけるモデル提示を今年度中に行うことが目標です。

これまでに「トレッタみよし」「VISON」の現地調査を行っており、今回で3つ目の現地調査です!

オガールプロジェクトとは

2009年から岩手県紫波町・紫波中央駅の西側で展開されてきた「オガールプロジェクト」は、公民連携、民間主導で進められてきた開発事業であり、全国の地方自治体から注目を浴びているエリアです。

オガールプロジェクトとは、複数の事業の総称であり、このプロジェクトが注目される理由は、大きく3つあります。
第1には、PPP(Public Private Partnership)と呼ばれる公民連携で実施されたこと
第2には、補助金に頼らず、民間がリスクを負って開発、運営していること
第3には、商業を中心としたまちづくりではなく、図書館やスポーツ施設など「普遍的な集客装置」を核としていること

これらの先進的な取り組みを成功させ、人口3万4000人弱の町に年間800万人程が訪れるようになりました。

調査は二日間行い、1日目はオガールプラザ全体の調査、施設利用者へのヒアリング調査を行い、2日目は広域なオガールの周辺調査、オガール企画合同会社さんへのヒアリング調査を行いました。

調査1日目

盛岡駅から電車で20分弱で最寄駅「紫波中央駅」に着きます。
コンコースの窓から見えるくらい駅から近い距離に「オガール」は位置しています。

「オガール」とは【成長】を意味する紫波の方言【おがる】と【駅】を意味するフランス語【Gare】(ガール)を足した造語です。とても親しみやすいプロジェクト名であり、エルサ安曇野のプロジェクト名を考える際にも参考にしたいと思いました!

オガールに到着しました!
朝7時半に長野駅を出発し、着いた頃にはもう昼過ぎ。やはり岩手県は遠いですね笑
お腹もペコペコだったので、みんなでオガール内にあるじゃじゃ麺屋さんでお昼を食べました!

じゃじゃ麺は盛岡の郷土料理らしく、とても美味しかったです☺︎

腹ごしらえを済ませ、調査スタート!
みんなで手分けしてオガール全体の建築における工夫や、ヒアリングを通してオガールを徹底的に調査していきます!

オガールは中央の東西軸に広場、両脇に建物という構成になっており、直線で続く広場が心地良かったです。
建物・街路樹も高さ15m以下に制限されており、ヒューマンスケールに対応した豊かな場になっています。

広場には写真のような「スタジオ」と呼ばれる東屋が建ち、広場での多様なアクティビティを促進、居場所の創出、周辺建物との流動性を生み出していました!

建物はポルティコを有し、建物と広場との豊かな関係をつなぐ中間領域としての役割を果たすとともに、40cm程上がった基壇は腰かけたり、登って歩いたりと豊かな動きを誘発させていました。

オガールプラザ にある情報交流館ではバザーが行われており、賑やかでした。毎週末異なるイベントを開催しており、それを楽しみにやってくる方も多いそうです。

情報交流館の奥に紫波町図書館があります。入口手前側に天井高を抑えた子供図書コーナーがあり、

多くに進むと空間が大きく開き、シンプルな配置の一般図書コーナーになります。

同じ建物の隣には紫波マルシェ。ここも天井高の高いおおらかな空間で、食材の配置棚の高さが低いために見通しがよく、どこに何があるのかがすぐに分かるようになっていました。

このオガール全体において、多様な色が用いられていますが、これらの色は全て和名がつく色で統一することで、全体的なまとまりを生み出すと同時に、飽きない色味となっています。

建築を見ると同時にヒアリングを行うことで、利用性やデザインの意図などを聞くことができ、とても深く知ることができました。

調査2日目

この日には紫波中央駅の東側、かつての町の中心であった日詰商店街の調査に行きました。
広域的に調査を行うことで、町の中としてのオガールの立ち位置や、地域からみたオガールの強い特徴を探ることができます。

調査日は日曜でしたが、通りはがらんどうで寂しさを感じました。ただ、その中でも昔から商いをするお店がいくつもあり、これからオガールと商店街の両軸でより良いまちづくりを行っていきたいという声を聞くことができ、感銘を受けました。

次に、オガールに戻りオガール企画合同会社さんへのヒアリング、施設の全体案内・概要を説明して頂きました。

体育館にも案内してくださいました。

この体育館はバレーボール専用のコートで、他と競合しない小さなマーケットを狙い撃ちすることで(ピンホールマーケティング)、バレーボール各国代表やバレーボール団体の誘致を成功させています。

その他にもこのプロジェクトの設立背景や、ここまでに至るまでの経緯や苦悩をとても詳しく熱い想い持って説明してくださいました。

終わりに

少々長くなってしまいましたが、実はまだまだ面白い点はたくさんありました!
皆様も是非「オガール」訪れてみて下さい!

今後佐倉研究室では今までの事例・現地調査をまとめ、「エルサ安曇野SC計画」においてどのようなコンセプトで進めていくかを検討・提案していきます。

これからの動向もお楽しみに☺︎

最後までみて下さりありがとうございました!

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