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『第一回より良いまちづくり勉強会』に佐倉先生がご登壇!

こんにちは!修士2年の青木です!
今月29日、長野市生涯学習センターにてより良いB-1再開発を求める市民の会主催の『第一回より良いまちづくり勉強会』が開催され、「これからの時代のまちづくりビジョン」と題して佐倉先生が講演なされました!
講演動画がYouTubeにアップされていますのこちらからチェックしてみてください!→https://youtu.be/i5kT7we41xs

冒頭では、用途が未確定で商業的・行政的な意図から”こぼれた”空間である「第四の場所(フォースプレイス)」について説明いただきました。
この言葉は吉江俊『<迂回する経済>の都市論』に登場する言葉で、利益性を追求しない都市の余白空間が最終的に利益につながるという逆説的な考え方です。

研究室のプロジェクトの「まち畑プロジェクト」を事例に挙げ、今回の再開発においても、まち畑プロジェクトでも大切にしている「自治の力を育む」ことがキーになると仰っています。

この自治の力をどのように育んでいくか?ー先生はこの問いについて考えるヒントとして、映画『ジェイン・ジェイコブズーニューヨーク都市計画革命ー』をご紹介いただきました。作中では「一部の人間が作った都市では市民が享受できるものはなく、市民によって作られた都市が人々に影響を与える」というメッセージが込められています。

また、「まちを歩く人がまちを作る」ことも自治の力を育む上で大切になってくると仰っています。
では”歩きたくなるまち”とは?ー下北線路街を事例では、ヒューマンスケールで歩いて楽しい空間、歩くことをサポートする休憩スポットの豊富さを先生は述べています。ここでは行政が目先の利益にとらわれることなく、市民の意見を受け入れて、十年・百年単位の長期的なビジョンを見据えて巡り巡って回る「迂回する経済」が特徴であると仰っています。

加えて、歩きたくなるまちには歩いていると思わぬものに出会う“ハプニング性”が重要であると仰っています。
ハンナ・アーレント『人間の条件』の中で述べられている「行為の複数性/予測不可能性」が高い都市が魅力的なまちを形成すると先生は考えています。
現代の画一的な都市開発による公共空間は何かをするにも許可が必要など様々な行為を制限されています。
このような管理から免れる空間を創造するには「都市の多態性」に着目すべきだと先生は仰っています。
都市の多態性とは、時限・アクティビティ・場所の制限といった要素のことで、この性質が管理をすり抜けるヒントに繋がります。

歩きたくなるまちを考えるために大切なもう一つの考え方として、饗庭伸『都市をたたむ』の中の「全体×レイヤーモデル」を挙げています。
これは都市の層・農の層・自然の層というレイヤー全体の連関を見ていく考え方で「都市の多層性」と呼んでいます。
最後に大月敏雄『町を住みこなす』の中の”いろいろな形や大きさや機能をもった建物が「混ざる」”という言葉から、今回のB-1地区再開発においても多様なヒト・モノを混ぜて調和させていくかが重要になってくると結んでいます。

最後まで見てくださりありがとうございました!!
B-1地区再開発は駅前というコミュニティのハブになり得るからこそ、今回の講演の考え方をもって都市の中の豊かさを体現できるようなスキームになってほしいですね!

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