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こんにちは!修士2年の磯部聖太です。
紅葉が見頃を迎えていたと思っていた昨今ですが、先日大学の銀杏並木の歯が全て落葉していました。。11月ですがそろそろ冬到来の予感です。今年はすけろくガーデンに隣接する獅子岩荘に住んでいるのですが、断熱が整っておらずとても寒い日には部屋の中でも氷点下になってなってしまうそうです。ダウンを着て寝るのもそろそろではないかと感じています、、
さて今回は第3回読書会についてお伝えしていきます!今回は先日エルサ安曇野プロジェクトの視察にて訪問したオガールについての本「町の未来をこの手で作る 紫波町オガールプロジェクト」になります。
この本を採用した理由として、エルサ安曇野プロジェクトの第3.4回検討委員会に向けた資料作成・提案を考えるためです。
紫波町の地価上昇に導いたオガールを先行事例とし、理解を深め分析を行いながら安曇野にて持続的な地域ならではの商業施設の計画を実現する提案を考えていきます。
岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」について取材、その立案から完成までを追ったドキュメント本である。人口3万人の小さな町が題材となり、駅前の町有の空き地が広場と図書館に生まれ変わるまでの過程を記す。成功要因※は、①コンサルでなく有責のエージェント、②民間部分は補助金でなく出資と融資(採算重視のシビアさ)、③市民協働(町民と一緒に考えた)、④デザイン重視(プロ集団によるデザイン会議)等であるが、一番はプロジェクトに参画した関係者の熱意・泥臭さ。
高齢化・過疎化・財政難という課題を持つ岩手県紫波町をオガールプロジェクトを通じて、今や県内第2位の地価上昇率を記録し、駅前エリアには年間 90万人以上が訪れる町に変貌させた、補助金に頼らない行政と民間の公民連携による紫波町ならではのまちづくりの全貌を知ることができます。
※成功との表現していいか迷いましたが、町の地価上昇という結果を参照し成功と記しました。
普通再開発となる一般的でことを考え、民間・行政は今までの流れに沿った事しか考えていないが、岡崎さんの新しいスタイルを導入する考えが面白い。
オガールが運よく成り立ったと思っていたが、どこの地域も落とし込めると感じる。
オガールの知識がなかったが、物語を読むように書かれていて面白かった。
「建物ではなくコンテンツが先」雇用を生み出すことが必要、そのために産業を生み出さなければいけない。
研究対象地である信級では、炭焼きを継承して炭の違う使い方をしたり、余熱を活用したりする。新しい生業が新たな住み手を引き寄せることで地域を活性化させる。
印象に残ったこととして、デザイン会議をやりながらも住民参加型ワークショップを何百回も重ねている。住民参加型とのバランスがうまい。色々な意見を取り入れながらも、プロジェクトを牽引する町長・岡崎さんがブレないことが成功につながったと思う。
全体としてストーリーだけでなく、ロジックの部分書いてあるのが良い。
オガールプロジェクトには貯水場を設置しなければいけなかった。ただの貯水場にしては土地として住民が利用できない部分となってしまう。そういった課題をサッカー場の地下を溜池として貯水場を設置し、サッカー場が洪水の起こらない場所とすることそして土地を効率的に利用している活かし方がうまい。
デザインが心地よい空間を作っていたが、現地を調査して見えにくいデザインになっていたことがよかった。
道路だったら淡い輪郭みたいなものを描ける。人の感覚を大切にしているからこそ、どうやったら街の人ためになるのかを考えている。
道の輪郭が濃くなくて、自由に動ける境界が居心地の良い場所になっている。ランドスケープデザインを人に説明することが上手かったからこそ、人々に受け入れられる
デザインの決め方も時間をかけてやっている。ex)色は和名で決めなければいけない→具体的なデザインをみんなで決めてやっていこうという取り組みが良い
今回のこの本を読み、一見公民連携を使えばオガールと同じような施設ができるのではないかと感じてしまいますが簡単ではありません。
今のオガールはとてもスマートに見えます。ですがここに至るまでに、関わった全ての人がものすごい熱量で泥臭くも動き続けた結果がプロジェクトの成功に導くことができたのではないかと思います。
そして公民連携の中で大切なことは、公も民も理想のまちをつくっていくなかで、両者の境目がなくなることだと思います。そして地域で稼いだお金をしっかり地域の中で循環させる仕組みをつくることだと感じます。
読書本についての感想を共有した後、スケジュールと今後のエルサ安曇野プロジェクトの方向性について議論しました。
議論の中で三つのキーワードが出てきました。エルサ安曇野が取り組みたい社会課題とは何なのか?地域住民のライフスタイルとは?地域と住民が求めているニーズとは?
今後安曇野調査や調査資料まとめを行い、この問いへの答えを導いていきたいと思います。
今回の読書会はプロジェクトに向けた本選定ということからも今までの会とは少しテイストが違います。今回は本を読み、プロジェクトの方向性や提案を考えることを通して、プロジェクトへの理解度をメンバーで統一させることや研究室一体となってプロジェクトへ向かう姿勢を一貫することができたと思います。
次回の読書会はおそらく来年度になります!
どの会でも面白い本を選んでいますので記事をチェックして是非読んで見てください!