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こんにちは、修士2年の青島です。
長野の朝晩はすっかり冷え込み、ストーブをつけ暖をとる季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
一昨日、根子岳という山に登ってきました。
長野市街から車で1時間ほど走らせたところにある菅平牧場。
その脇から登山道が始まります。根子岳山頂までの道のりを約2時間かけて登ります。
麓はすっかり葉が色づき、白樺の林が山の奥までずっと続いていました。
白樺の幹があまりに多く立ち並んでキャンバスのような働きをして
足元から膝、場所によっては腰の高さまで茂る笹の青さや
白樺の枝の赤くくすんだ茶色と葉の鮮やかな黄色をより一層引き立てていました。
また白樺の幹の一様な白さが前後感覚をぼやかして、奥行きが曖昧になっていく体験はとても不思議なものでした。
山頂に近づくにつれ、白樺の背が低くなっていき、あたりには笹原が広がります。
その笹の中に沢の跡のように岩石が露出した筋が登山道です。
灰褐色の岩石がメインですが、よく見ると黒っぽい軽石や青色、紫色、赤色の砂岩泥岩石が落ちており
まるでグレーのミックスニットのようでした。
登山道右側の北向き斜面の木や周りより背が高い木の枝の先が凍っていて真っ白になっていて
風が吹くとそれがバラバラと落ちてくる様子は非常に美しいものでした。
山の上はまさに秋の冬の境界のようで、貴重な光景を見ることができました。
初心者でも登りやすい山なので、みなさんもぜひ根子岳に登り、秋と冬の間で北東信の山々とアルプスを一望してみてはいかがでしょうか。
前置きが長くなってしまいました…
それでは、先週のすけろくガーデンの活動報告をしていきます。
先週はすけろくガーデンの資材小屋の木材を移動させ、大まかな寸法と本数を把握する作業を行いました。
資材小屋は畑の東側、隣あうシェアハウス”ししいわ荘”に隣接する形で作られました。
しかしそれは、もともとその場所にあった植生を破壊する行為でもありました。
結果として、シェアハウスの洗面室の勝手口を開けた先にあった景色が失われてしまったのです。
勝手口から見える四季折々の色彩は、太陽光の反射で室内まで入り込み
春から夏にかけては新緑の青色、秋は温かみのある紅葉色、冬は雪と空の青白さと
さまざまな表情を見せてくれていました。
それを今一度取り戻すため、今回資材小屋を別の場所に移す決断に至りました。
雨で濡れて傷まないようかけていたブルーシートを取り
一本一本丁寧に運び出して畑北側の擁壁に立てかけていきました。
これはあくまで一時的な保管です。擁壁はおそらくすけろくガーデンの敷地ではなく
行政の管理区域だと考えられるからです。
運び出した木材は、断面の形状・寸法や長さで大まかに仕分けていき
どのような大きさ・長さの木材が何本あるのか把握しやすくしました。
これらの木材は、すけろくガーデン南側の住居を減築した際に生じた廃材や
別の場所の解体現場で譲っていただいた廃材などです。
もともと住宅に使われていた木材なので、寸法も在来工法のモジュールに則ったものであったり
継手・仕口が残っている材であったりします。
これらの履歴をしっかりと記録しておくことで、今後の設計の足掛かりとなったり
新たなアイデアのきっかけとなればと期待しています。
長期間の保管で下の方の木材はかなり虫に喰われ、腐食しているところもありました。
きのこが生えている木材も!
僕らは生成と腐食という自然の循環と隣り合って生活しているのだ
ということを改めて感じさせられました。
こうして並べてみると、古い材が持つ独特の風合いが感じられます。
「作品自体に意味はなく、ただ波動が存在していて、それを受け取ったり発信したりすること」
が芸術家の役割であり、生き方なのだという話を先日あるアーティストから聞きました。
建築に携わる者は芸術家だとは思いません。
建築の形態、建築を建てることには意味があり(後から意味を与えることもあるかも)、
作りたいものをただ作ることはできないからです。
ですが、「波動」というワードが出てきた時、
それは素材そのものが持つ風合いであったり
場所の持つ履歴や文化だったり、営まれている生活だったり
建築物の存在意義そのものであったりするのかもしれませんが
それを他者に伝達し、後世に残していこうとする提案?姿勢?も
建築に携わる者の職能であり責任かもしれないなと思いました。
最近は、Instagramでの活動発信やライブ配信も行っています。
ぜひチェックしてみてください☺︎
Instagram すけろくガーデン ( @sukeroku_garden )
来週も11/3(木) 8:30~12:00に畑作業を行っています。
ぜひ気軽にお越しください!
(所在地:〒380-0866 長野県長野市大字長野狐池1201-2)