NEWS

M1篠田、鈴木が【第14回長谷工住まいのデザインコンペティション】にて優秀賞を受賞!!

こんにちは 修士1年篠田です。
昨年の事となりますが、先日開催しておりました第14回長谷工住まいのデザインコンペティションにて
篠田恭椰と鈴木悠が共同制作した提案が優秀賞を受賞しました。

このコンペは、「狩猟採集の家」をテーマに新たな住まい方(集合住宅)の提案が求められている課題でした。
僕たちはこのお題に対して「個の自立性と他者との共有性の間を調停する棲み家」という提案を行いました。
空き家を採集、全てが共有空間である集合住宅へと再構築し、その中で個人のプライベートスペースを築いています。
個人のスペースがあり、そこに共有空間を築くという今までの集合住宅の在り方に対して、逆説的な視点から説いていることが特徴です。

この提案に至った背景は、①調べて明らかとなった狩猟採集時代における人々の生活スタイル②遊休地活用の経験の2つがあります。

狩猟採集時代における人々の生活スタイル
狩猟採集時代には、人々は転々とする生活を送っていたために、家や土地を所有せず、
その場にあるものを活かしながら生活を送っていました。
所有物を持たないために、縄張り争いが生じなかったとされています。
シェアリングエコノミーといった共有が求められている現代においても、所有物を持たない選択肢は有効であると考えました。

遊休地活用の経験
「まち畑プロジェクト」や学外で行っている学生シェアハウスなどの空き家活用といった普段の経験から
土地の私有化による土地が不足しているところと過剰に余っているところの格差(土地格差)に課題意識をもっていました。
空き家や空き地は、その立地や所有者によって遊休地となってしまっていますが、
人口減少・少子高齢化が進む日本においては担い手が不足し、採算を合わせることが困難な状況です。
一方で、その空き家には人々の記憶が詰まっており、解体の選択肢はなかなかとることができません。
社会の中でそれらを上手く活用していくことを想定すると、
空き家を細分化し、ニーズのある場所にて集積・活用していくことがひとつの解になることは、
エリアリノベーションや古材ビジネスといった事例が証明していると思います。
今回の提案でも空き家を分解し採集することで、課題解決に寄与する提案ができるのではないかと考えました。

2つの背景から、空き家を活用した共有財としての棲み家という提案を行ったわけですが、
集まって住む場として個人のプライベート空間を成立させるために、ハードとソフト両者の提案を行いました。

ハード面
空き家の集積を行いながら、構造体として成立させるために、ユニットに分解することとプレキャストコンクリート階段を傘状に組んだもので補強するという2つの工夫を行っています。ユニットは接地面が最小限となるよう多孔質に構成し、ユニット同士の接合部を狭めることでゆるやかな
プライベート空間を構築しています。

ソフト面
住民自治管理の運営体制や、距離を保つためのスマートバンド・アプリケーションの提案を行いました。
これらによってプライベート空間を基本としない集合住宅でも、プライベート空間を築き、住民同士の距離を把握することができます。

審査では、隈研吾さんや乾久美子さん、藤本壮介さんの鋭い質問に対して、愚直に抗ってしまったことが反省点です。
その質問を契機として、その場に集まった方々が心躍らせるような返答を行って
提案のポテンシャルを最大限生かし切ることができれば最優秀も狙えたと思っています。
設計の際には多様な方々にエスキスをしていただくなど、普段から対話を怠らないようにしていきたいです。
反省点はありますが、とても素晴らしい経験でした。この経験を糧にして、これからも設計に励みます。
夜通しの模型お手伝いや相談に乗ってくださった方々本当にありがとうございました!

(M1篠田)

Pagetop