アトプロジェクト
既存のSC の老朽化に伴う建て替え計画を契機にプロジェクトが始動。エルサあづみ野を運営する安曇野ビルディング、県設計、佐倉研究室の共同プロジェクト。佐倉研究室は、2022 年度から本プロジェクトに参画。学術的な視点から優良農地開発のための方法提案、既存の商業施設に囚われない自由な発想による提案が求められ、今後の地方都市における新たな商業施設の在り方を模索している。
本計画敷地は農振農用地であり、施設の計画は法的に困難とされているなかで、「地域未来投資促進法」を活用した土地利用調整を目指している。これは、地域の特性を活用した事業の生み出す経済的波及効果に着目し、これを最大化しようとする地方公共団体の取組を支援するものである。安曇野の優良農地が持つ環境価値や北アルプスを望む景観を尊重しながら、新たな土地利用のモデルを構築する。
本施設は、従来のロードサイド型商業施設とは異なるアプローチに挑む。地域に暮らす人々にとって、また安曇野を訪れる様々な人々にとって、信頼され、使われ、愛され続ける施設とは何か。その問いに対し、単なる消費の場ではなく、「待つこと」「過ごすこと」に価値を見出す時間の設計と、内から外へと活動が連なる空間構成を追求している。
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1. 調査研究(① ~ ④)
2022 年度には、全国的な先進事例として3 施設を調査し、地方中小都市における今後の商業施設のあり方について考察を行った。その結果、「地域密着型」商業施設の重要性(トレッタみよし〈広島県〉、オガール〈岩手県〉)と、観光客を魅了する「少し贅沢な日常」の演出が必要であること(VISON〈三重県〉)を明らかにした。
2. 施設テーマ「大きな家」(⑤)
日常・観光・移住と、異なる時間軸のなかで何度でも訪れたくなる場所。人々が自分の居場所を見つけ、行き交いながら新たなつながりを生み出す拠点を目指す。四季の移ろいとともに表情を変え、地域の風景や文化に溶け込みながら、人と人、人とまちが自然につながる。食やものづくり、学びや交流が交差し、日常と非日常が心地よく混ざり合う空間。旅人にとっては滞在の拠点に、地域の人にとっては暮らしの一部に。何度でも帰りたくなる場所となることを願っている。
3. 安曇野市長面談(24.02)(⑥ ~ ⑨)
掲げたコンセプト「大きな家」を元にプロジェクトを推進するためのビッグピクチャーを2案描き、安曇野市長への提案発表を行った。安曇野市長からも良いリアクションを頂き、産官学の連携体制が築きやすくなった。