PROJECT
2017年夏から始動した2つ目のプロジェクトです。テーマは「地域住民との交流」と「とれた野菜での食の循環」です。
フレンチレストランの裏庭にある空き地を開拓して畑として活用し、そこを軸として様々な活動の展開を見据えて活動を行っております。
毎週金曜日の朝、このラ・ランコントルの裏庭で作業をしています。
佐倉先生が中心となって作業を行い、研究室メンバーが手伝うわけではありません。活動を発信することで、地域の人たちが畑作業に集まってきて、みんなで作業を行います。
地域の人たちは畑の知識が豊富で、作業を進めていく中で地域の人にアドバイスをしていただきながら、計画が少しずつ変わっていきます。
畑でとれた野菜やハーブはレストランで使われます。シェフの手によって畑の野菜はごちそうに変わります。
野菜は食べた人の血肉となり、畑に来ればその作業の力となります。
SNSでレストランの料理を、野菜を発信し、それを見た人がレストランを知り、畑のことを知り、畑に参加する。
このような作用が食の循環といえるのではないでしょうか。
研究室の学生も、今まで経験したことのない畑作業や新鮮な野菜を食べることによって普段から何気なく食べている食べ物に対する考え方が変わり、この野菜がどのように採れたものなのか、道端の草は何の種類の植物なのか、考え方が変わりました。
これもまた畑作業を通じて得られた食へ対する意識の変化も、このまち畑で起きた食の循環とも言えると思います。
北欧・東欧の畑のデザイン例
畑の場所は元々民家があった場所であるために、土を掘り起こしていくと瓦や土間のコンクリートが見つかったり、基礎の跡の様なものが埋まっていたりと、普通の畑だけでは見られないかつての生活のあとがあり、時間の流れが見えてきます。作物を、かつての部屋割りのように配置してもいいかもしれません。ラ・ランコントル畑には歴史があり、今があり、未来があります。すべてが同じ場所に混在する場所です。
まだまだこの畑は変化、進化していきます。草が生い茂っていた場所を耕して、今まで以上の作物を作れるように開拓したり、昔使われていた納屋を綺麗にして他のことにも利用したり、レストランのお客さんが畑を見学できるように有機的な道を舗装したり、たくさんの時間が流れ、たくさんの人が関わり、たくさんの物語が生まれていくことでしょう。(プロジェクト代表者:浅井廉)