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佐倉研究室の夏休み2019 vol.1 ~青島秀一編~

みなさんこんにちは!
連載!佐倉研究室の夏休み2019始めます
2019年の夏休み、佐倉研究室のメンバーはそれぞれいろんな場所に行き十人十色の経験を積みました。
とっても多様で面白いのでメンバーそれぞれの夏休みを記事にして連載することにしました!
どこまで続くかわかりませんが、とりあえず第一回目、あいうえお順で一番最初の現在4年生青島秀一からスタートです。
今後の更新をみなさんお楽しみに〜♪

 

 

~ジンバブエで見たこと~

青島秀一

9月にアフリカに行ってきました。今、アフリカに行ってきた経緯とそこで見てきたものを記しておきます。


現在私には、佐倉研究室で担当しているプロジェクトがあります。
そのうちの1つがアフリカ、ジンバブエで十分な食事が与えられない子供たちのための孤児院の建設プロジェクトです。
現地の住宅や公共施設の建てられ方から新たな工法を模索し、施設を設計します。施工も、地域住民や現地の学生を巻き込みながらどのように進めていくか計画中です。(Harare Child Care Center〈以下、HC3〉プロジェクト
今回はこのプロジェクトの現地調査や先進事例の見学のためにアフリカに赴きました。アフリカについて何も知らなかったので、場当たり的に行ったような気もします。

近代化するアフリカ


現地に着いて驚いたのは、自分が思っていたよりずっと中心市街地の近代化が進んでいたことです。
レンガ造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建物が混在し、アスファルトで舗装された広い道路が街を貫いていました。
車道は中古の日本車が多く走り、道沿いは人で 溢れ、大きな賑わいを見せていました。

2019.11.8 Art gallery から通りを見る

市内の様子についての話が続きます。
建築を学んでいるからか、街を構成する多くの モノ・コトが目に止まっては過ぎていきます。
それに呼応するように街を切り取った写真が淡々と流れ、その光景を撮影した時何を感じたのか、どう考えるのかお伝えします。


市内には印象的なモダンな建築物が多く建っています。
特に立体駐車場に続くスロープ は非常に美しかった(下写真)。

かつて植民地 だった国では、海外建築家の挑戦的な設計が現れている建物が見られますが、これもその 一つでしょうか。
高層の建物群の中に低層のマーケットなどが入り込み、飲食店や家具店、 さらにオンライン決済の専門店が軒を連ねていました。
ジンバブエはスーパーインフレによって経済が崩壊寸前であり、現地の貨幣が価値をほとんど持ちません。
米ドルはレートが安定していますが、政府によって使用が禁止されているために、支払いが容易な携帯電話端末による決済サービスが普及しています (ECOCASH といいます、空港での登録に苦戦していました)。
失業率も非常に高く、公務員であっても給料が支払われないこともあるのだとか… 道端で飲食物やスナック、古本などを売る人が非常に多く見られました。
現地での移動はほとんどタクシーだったのですが、信号で停まると必ず車の列の中に歩き売りの若者たちが流れ込んできます。
アジア人が乗っていると気づくと、窓ガラス越しに激しく商品を勧めてきます。

「ジンバブエの方々の国民性など何か感じたか」 と帰国後知り合いから質問を受けました。
彼らはとても真面目で、プライドが高い。
訪れる者は誰であっても受け入れ、笑顔を向ける優しさを持っています。
だから、人に対してモノを媚びたりしません。
自ら働き、稼いでその日の暮らしをしています。

広がる貧富の差


プロジェクト敷地から周辺集落を見る

市内を離れ、HC3プロジェクトの敷地であるHatcliffeへは車で40分ほどかかります。
建物が少なくなり、徐々に農地が広がり、さらに幹線道路を走って、舗装されていない赤い 土が剥き出した道を進んだ先に敷地はあります。
緩い起伏のある赤い大地に低所得者たちが小さな家を建設し、作物や家畜を育てたり、国内外に出稼ぎをして生計を立てています。
近隣の住民と話すと、みんなから仕事をくれないかと尋ねられます。
私たちがどれだけ コミュニティに入っていき、彼らのためになる設計をし、将来施設が完成したとしても、彼らが求めているのは今日、明日を生きていくための働き口であり、お金であり、食事である のだと思い知らされました。
敷地近くにあるマーケット

日本にいると、明日どうやりくりして生きていこうなんて深刻に考えなくても生きていけるという恵まれた環境にめちゃくちゃ甘えて生活している。
そのような状況でも私たちに笑顔を向けてくれた彼らの生き抜く強さに胸が滲みて少し痛かった。
その時何も力になれなかった自分がいたことを忘れないようにしたいです。  市内のスラムにあるマーケットがかなりディープでした。
黒魔術の材料を売っていたり、 見たことのない芋虫を乾燥させたものやバオバブの実が並んでいたり… 売り手の適当さがまた良くて、現地の暮らしを支える母親のような雰囲気がありました。

即物的でとてもいい空間でした。
コンクリートとアスベストシートの躯体が並び、その軒下と通路に簡易的な台と商品がぎっしり詰まっていて、布やボール紙によって軒が延長されて強い日射を遮っています。
そこを行き交う大人と子供たちによって一つの家のような空間が作り出されていました。
貴重品や携帯電話を出しているとスられるかもしれない 危険な場所でもありますが、また買い物したいです。

最後まで見ていただいてありがとうございます。
青島秀一


以上第一回目の佐倉研究室の夏休み2019でした。こんな感じで各メンバーの分も続けていきたいと思っています。
なんとなくこの一回で終わってしまう気が………………………
というわけでまた次回の記事でお会いしましょう。さようなら!

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