NEWS

佐倉研究室合宿2023 in真木集落 その2

皆さんこんにちは。修士1年の田畑奎人です。

前回に続いて研究室合宿レポートその2です。
その1をまだ見れてないよーという方がいらっしゃいましたら、その1から見ることをお勧めします!

11月3日〜5日にかけて長野県の小谷村に位置する真木集落に行ってまいりました!
今回は2日目から書いていこうと思います!

2日目の朝は鶏の鳴き声で目覚めました。
真木集落の鶏の朝は早く、5時前からエンジン全開で鳴き始め、私たちに異国の目覚めを感じさせてくれました。

やはり山の朝は寒く、底から冷え込むような寒さですが、石油ストーブやエアコンはもちろんなく、
薪ボイラーの火起こしから始めなければなりません。
この火起こしがとても難しいのです。
よく人類の成長史として火を起こす類人猿のイラストを目にすることがありますが、
現代の私たちは火を起こすことが出来ないのです。

真木集落での生活の中で、私たちは「生きる」能力が低下していることを痛感させられることが多かったです。

日が上るとともに動物が起き朝を告げ、私たちは起きて畑に出て、植物を収穫、それを調理し頂き、エネルギーを得る。
調理の際に出た生ゴミはコンポストに入れ、堆肥となり、やがて堆肥が植物のエネルギーとなり成長し、そして私たちへとつながる。

このように生活の1つの歯車を回すことが別の歯車を回すことに繋がり、それらが絡まり合うことによって
私たちの周縁の「生」を動かしていることに気づかされます。

今日も朝から茅の葺き替え作業を行っていきます。
1日目で少し慣れてきたこともあってか、みんな職人のように黙々と作業を行っていきます。

この日は屋根の茅を結うときに縄と茅の間に必要な、「根曲がり竹」として長野県民に愛される
チシマザサを取りに裏山の尾根まで行きました。

昨日のお話も聞いていたからか、山の見え方が少し変わり、山に生活の範囲や人の手が加えられた跡を認識することができるようになっていました。

来た時はただただ美しさしか感じなかった山々の風景も1日過ごしただけで、冠雪の風景はじわりと歩み寄ってくる冬に対して、
寒さの危機を煽るように見えました。

2日目のお昼にはトマトソースパスタを頂きました!ランコントルで採れたハーブを持っていき、活用したのですが、
香りがとても豊かでとても美味しかったです!

お昼の後はみんなで散歩に出かけました。
映えるスポットもあったのでそこで写真を撮りました笑

縄の結い方も教えて頂きました。コツを掴むと意外と簡単に縄を結うことができるようになり、
このスキルをランコントルのリースイベントの際に活用することができました!

引き続き葺き替え作業を行っていきます。
2日目にようやく一列茅を葺き替えることができました。
ただ、一列葺き替えてもたった10cmほどしか進んでいないことに茅屋根の維持管理の大変さを思い知らされました。

2日目の夜はみんなでカレーを頂きました。
シンプルな王道カレーでしたが真木集落でみんなで食べるということが最高のスパイスになりました。

ご飯後はまたみんなでまったり。
両川さんのウクレレに合わせて勅使河原さんが歌っているときは中和出がとてもアットホームになり、
あたたかさに包まれました。

3日目の朝にはもう鶏の鳴き声で目覚めることはなく、人間の適応力の早さに驚かされました。
朝から畑に出て体を動かす。
体を動かすと自然と目は覚め、1日のリズムを刻み始めます。

朝ごはんはトマトリゾット。ほうじもついつい食べちゃいそうなくらい美味しかったです。

3日目の午前は両川さんに真木集落全体を案内して頂きました。
かつて神社があった場所を訪れると祠が残っており、剣の紋様が記されておりました。
これについては昔、武田信玄の部下であった武士たちが逃れて住み着いたという説があり、その物語を連想させました。

現在は住み手がいない「大和出」の住居にもお邪魔させて頂きました。
年々傾いてきており、雪の重みで倒壊するのを待つのみとなってしまっている状況にもどかしさを感じつつ、
何もできない歯痒さがありました。

真木集落のように暮らしが数世紀もの間継承され、営み続けている場はどれほど現存するのでしょうか。
私たちが住む現代に対して、生活の根本的視点から多くの気づきを与えてくれる場はどれほどあるのでしょうか。
「共同体」をありありと感じる場は日本に必要なのではないでしょうか。

真木集落最後のご飯は畑で採れたカボチャを使った2食丼でした。
甘しょっぱく煮込んだ挽肉と甘いカボチャがマッチしてとても美味しかったです!

2泊3日の研究室合宿、ここでの生活は多くの驚き・発見・疑問・知識・想像を私たちに与えてくれたでしょう。
きっとこれからの生活の中でも真木集落を思い出すことがたくさんあると思います。
真木集落での経験を糧に、自らの活動に励んでいきたいと思います。

必ず来年も再来年も行きます。

両川さん、川崎さん本当にありがとうございました。

最後に、真木集落および両川さん・川崎さんに興味を抱いてくださった方は是非訪れてみてください!
多くの刺激を得られる良い旅になること間違いなし!

是非下記URLから2人の活動拠点中和出のインスタグラムに飛ぶことができます!
https://www.instagram.com/maki_nakawade/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==

 

Pagetop