現地で金田氏(一般社団法人グッドラック・代表理事)へのインタビューを行った。インタビュー内容から都市計画的視点で語られた部分を抜粋し記述したい。
◯点
地元不動産会社の千島土地株式会社が主体となり、地域の空き家や空き工場、空き地などに若いアーティストを誘致し、北加賀屋の地域をアートで溢れる豊かな街にしていこうという取り組みの一環で、「みんなのうえん」が誕生した。2011年、千島土地株式会社と、コミュニティデザインを専門とする「studio-L」、そして金田さんが当時運営していた「NPO法人Co.to.hana(コトハナ)」の3者で、コミュニティ農園プロジェクトがスタートし、2012年第1農園が開設された。
その後第2弾として、みんなのうえん北加賀屋第二農園が誕生した。この土地の選定は、金田さん自身が行っており、日当たりが良いこと、ある程度広い土地であること、駅からのアクセス、参加費が払える地域であることといった条件となっている。また昔どのような建物が立地していたのかなども確認する。これは地盤の良し悪しに関わるのでかなり重要であるとのことであった。この条件の元、ある程度対象を絞っていき、あとは金田さんのフィーリングで選定している。
第2農園もメンバーで土地の開墾から行った。銭湯跡地と隣接する住宅をリノベーションし、開放的な農園とキッチンサロンを併設した拠点と変容させ、徐々に現在の姿になっていった。
畑のデザインについては、おしゃれすぎない、参加者が何を求めているかを把握する、無農薬・科学肥料を使わないことだけを共通のルールにしている。
◯線
農園で作った野菜をみんなで収穫し、隣接するキッチンサロンで調理・食事を行う拠点となり、みんなのうえんのメンバー同士の交流を促す場となっている。
また、キッチンサロンだけを利用していた方が、農園での活動に興味を持ち、新たなメンバーに加わるといった繋がりも出来ている。
◯面
千鳥土地株式会社と共同し、「北加賀屋クリエイティブビレッジ構想(KCV構想)」の計画の一つとしてみんなのうえんがあり、エリアの価値を上げる空き地を活用する事例として行政からの評価も高い。その結果、新しい農園として寝屋川でのコミュニティガーデンの開設を行政から依頼され、補助金の援助を受けながら新しい農園「みんなのうえん寝屋川」が誕生した。